このページでは、さまざまな業種に従事しておられる方に創造支援技術研究所で開発したシステムのデモを実際にご覧いただき、どのような場面に適用できるかについてインタビューし得られたコメントを元に、システムに実装している機能の適用例をご紹介します。
※項目のみ記載されている適用例の詳細につきましては順次掲載してまいります。
1.「分析型連想支援システム『ABASUS』」の適用例
【例1】研究開発実務の場における課題解決支援
ものづくりをはじめとする研究開発の現場で、課題をクリアするための方策の検討等に必要なアイデアを出しやすくするために活用。
【例2】研究開発テーマ探索支援および新事業領域探索や調査
自社保有技術や、すでに狙っている分野を意味する語を基点(出発点)として、蓄積してあるさまざまな社内外の情報を分析することで、研究開発テーマとして有望な内容を探索することを支援。
【例1】および【例2】では、システムに実装してある「特定語系列強調」機能の活用が想定されます。
■機能概要
描画した語木の中に表現されている語の中で、自分が注目した語をクリックすることで、その語を含む語系列を強調表示した語木を描画できます。
このとき、描画内容中には蓄積してある源泉情報から自分が想定していた語群以外に、思いもよらない語情報が得られることが予想されます。そのような 情報が発見されたならば、「語系列情報リスト表示」ウィンドウにリスト表示された対応する〔検索〕ボタンをクリックすることで、その語系列を構成する語が 含まれる文や段落を 再度源泉情報中から抽出し表示することができます。
■例「研究テーマ探索」「新規事業領域探索」
例として、目的が「地球温暖化防止のための二酸化炭素分離除去」であり、目標が「装置の開発」であることを想定します。
この場合、まず、「地球温暖化防止のための二酸化炭素分離除去」を検索条件(=情報要求)として蓄積文書を検索し、条件に合致した情報(=段落)の一覧リストを表示させます。(図1.)
 図1.「地球温暖化防止のための二酸化炭素分離除去」を検索条件として蓄積文書を検索して得られた段落情報のリスト[クリックして拡大]
次に、表示されたリストの中で、目的および自社技術と関係が深いと思われる結果の右欄に表示された「語木表示」(木の形のアイコン)をクリックし、該当する文書情報を分析すると、図2.が得られます。
 図2.指定した文書情報を分析し描画した直後の語木[クリックして拡大]
ここで、メニュー項目の中の「特定語系列強調」機能を用い、語木中に描画されている中のいずれかの「装置」と表示された円をクリックし、さらに画面左パネルの「語系列リスト」ボタンをクリックすると、図3.のように語「装置」を含む語系列が強調表示されるとともに、描画されている語木情報のリストが表示されます。
 図3.指定した語(紫表示)を含む語系列を強調表示させ、さらに語系列情報リストを表示[クリックして拡大]
図3.では、語木および語系列情報リスト表示の内容から,語「装置」と関係があると思われる語が赤色強調表示で露されています。これら強調表示された語が、テーマ探索や、事業領域探索のためのヒント情報や検討材料情報として活用されることが期待されます。
また、描画されている「語系列情報リスト表示」ウィンドウでは、その時点でリスト中で赤色強調教示されているかいないかに関わらず、〔NO.〕ボタンをクリックすることで、その番号の語系列に対応した語木系列のみを描画されている語木中で強調表示(このとき、注目している語系列以外は通常表示に戻る)することができ、その語系列構成語を含む文の主張の強さ(語を囲む円の大きさ)や語同士の関係の強さ(語を結ぶ線が短いほど関係が強い)を確認することができます。(図4.の語木中の赤色強調部分)
 図4.語系列を指定して蓄積情報を検索する[クリックして拡大]
さらに、赤色強調教示された語系列をベースとして、この語系列構成語に新たに語を追加したり、この語系列から語を削除するなどして新しい語条件を設定し、再度蓄積した文書情報を検索することができます。
 図5.指定した語系列検索した結果[クリックして拡大]
これらの操作により、注目している語と関係があると思われる語が明確化するとともに、それらとの関係の強さや蓄積情報中での情報量の大さ等を視覚的に把握することができます。
こうした一連の操作の過程では思いもよらない語が出現する可能性があり、「気づき」や「発想」を生み出しやすくなることが期待されます。
この機能は、比較的経験の浅い人にとっても、また、多くの経験を持つ人にとっても、新たなアイデアを生み出すきっかけを提供できることが期待されます。
なお、この「指定した語系列で検索」機能では、指定した語系列構成語がどのような文脈で出現しているかを確認できますので、より思考を深めやすくなることも期待されます。 |
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上記【例1】【例2】の他にも、さまざまな業務場面での活用が期待できます。
【例3】他社特許、技術等の調査支援
文書のままでは分かりにくい特許情報や技術情報を視覚化することで、対象情報の理解の「モレ」を無くすとともに、正しい理解をしやすくする。
【例4】自社コア技術の把握および明確化とビジネス戦略策定支援
蓄積された文書について、視点を変えて視覚化することにより、正確な自社コア技術の把握をしやすくするとともに、得られた知見を元にしたビジネス戦略策定を支援。
【例5】アライアンス先探しの支援
自社が必要としている技術を保有している社外組織をより迅速に探し出すことを支援。
【例6】コールセンター等でのお客様からの技術問い合わせ対応支援
過去事例を活用し、お客様からのお問い合わせに迅速に対応することを支援。
【例7】医療分野、設備保全分野、機器修理分野等における診断支援
蓄積された情報を活用し、不具合原因の特定や改善を支援。
【例8】トレンド/トピックス情報の視覚化による市場調査支援
時系列ごとに蓄積してある情報をそれぞれ分析し、視覚化することで、トレンドやトピックスを発見しやすくすることを支援。
【例9】アンケート結果を活用したお客様の声の明確化と対応処置の立案
お客様の声など、文書化され蓄積されているアンケート結果を分析し視覚化することで、お客様の声を的確に把握できるようにすることを支援。